NPO法人ニュースタート事務局関西

VOICE

自分の中の嫌な自分

 

最近,雪印や鈴木宗男議員が注目の的になっている.私は,あまりテレビは見ないので新聞でしか詳しくは知らない.新聞だけでも,彼らは今かなり非難を浴びている.

 

ある人に対する悪いことが広まると,次々とその人の悪いうわさ,事実が出てくる.人々はそれに一喜一憂し,まるでいじめの対象を見つけたかのように,一斉に攻撃性をあらわにする.マスコミもそれを面白がって報道するからどんどんエスカレートする.やがて,ある程度の悪い事実が出て,悪い事実が出ても視聴率が上がらなかったり,興味を持たれなかったりしたら,ものの見事に噂は消える.サッチーやビン・ラディンはもうほとんど触れられていない.雪印や鈴木宗男議員の話にしてもそうなるだろう.この様子はまさに「魔女狩り」とも言えるものであり,犠牲者は常に求められる.

 

日本人は昔からうわさ好きである.近所のあの人はどうのこうのから始まって,ワイドショーを見てプライベートも知らない芸能人に対しても,「あの結婚はすぐ解消するね」,「あいつはだめだ」などと言っている.

 

その人達は自分の事をどう思っているのだろう.自分の価値観は絶対で,今まで何も悪いことをしてないし,悪い考えを持っていないと思っているのだろうか.なぜ鈴木宗男議員や雪印を必死になって自分が非難しているのか,芸能人の噂話をしているのかわかっているのだろうか.

 

それは,自分の中にある汚い,捨ててしまいたい,あるいは本当は自分もしたいと無意識に思っている部分が,相手に現われた時に,非難してしまうからである.

 

それをわかっていない人が親になると,自分とうりふたつの息子や娘が過ちや悪い行いをした時,そしてしていない時にもかかわらず,不機嫌になったり怒り出したりする.息子達は親がなぜ不機嫌なのか,怒り出したのかわからない.そんなことが頻繁になると,息子達は親に好かれようと,自分からは何もできなくなり親のご機嫌を伺い,本当の自分が出せなくなる.一番信頼する親に対する不安があるので,他人にはなおさら自分は出せない.親達は,知らず知らずの理不尽な怒りで子供の成長を阻害しているのである.

 

自分が他人,特に息子達に怒っているときや自分が不機嫌な時,ふと冷静になってみればいい.自分はなぜこんなに感情的になっているのか,ひょっとして,自分が自分に腹立たしいのをその怒っている対象に怒りをぶつけてしまっているのではないかと.そう思ったのなら怒るのはやめて,これからは自分に反省する事である.世の中はきれい事だけでは済まないのは今まで生きてきてわかっているのだから,他人や息子達の過ちも寛大に見ようではないか.

 

とはいえ,こう書いている私もよく些細なことで怒っている.怒りの原因を探ると驚くほど自分の劣等感を抱いている部分や触れられたくない部分であったりする.みなさんも怒りの原因を究明してみる事をお薦めする.

えせ嶋彰