NPO法人ニュースタート事務局関西

VOICE

『ちちんぷいぷい』を見て、手紙で相談することにしました。

 『ちちんぷいぷい』を見ました.そしてとりあえず,手紙で相談することにしました.私は今年3月に短大を卒業して,先月21才になりました.6月頃から引きこもりがちで,ごくたまに外出していましたが,最近はほぼ家に居ます.なぜ私がこうなったかというと,人と接することに疲れたからです.私は誰と居ても心から安らげません.親でもです.私には居場所がない・・・そんな気がします.

私は全然自己主張や自己表現ができません.自分の考え,希望,意見も,喜怒哀楽の感情(特に怒)も,表現し相手に伝えることができません.恐いです.私がこうなった原因は親側に70%あると思っています.私はこの21年間,自分で人生を歩んできたという実感はなく,親にほとんど操作されてきました.小学生の時から習い事ざんまいでした.特に学習塾には週3回とか土日も電車で片道40〜50分程かけて通わされました.だからほとんど遊びにいけませんでした.

 私の母はよくこう言いました.「友達は信用してはいけない.みんな表では仲良さそうにしているけど,心の中では自分が一番になることばっかり考えてんねんからあんたもそれにだまされてたらあかんよ.」とか「友達なんて相手にしてる場合じゃない.勉強だけやっとけばいい.そしたら人が勝手に集まってくるようになる.」など私は親が正しいと思っていたので中学3年ぐらいまでそう信じてました.だから,友達のことを見下していたし,私は表面上"いい子"だけを出してつき合っていました.

でも周りを見てたら何か違っていて,みんな本音でつき合ってたというか,そんな浅いつき合いでなく,ケンカしたり,自己主張したりして楽しそうに見えたんです.高校は遠い所にあり誰も知らない人ばかりなので私は自分を変えて心からつき合える友達をつくろうってがんばりました.毎日のように試行錯誤しました.でも,すでに手遅れでした.毎日毎日自分の中で思うような接し方とかできなくて自分を責め続けていました.短大になっても一緒でした.

 私はとても気が小さいので,親に自分の意志を貫き通したことがありません.私の親は恩着せがましいので,向こうの思っていることと私の考えてることがずれてたら,すぐかみついてきて,聞く耳持たずで「ダメ」と言うだけです.私が逆らおうものなら「育てたってるのに,「ご飯食べさせたってるのに」などいろいろおどしてきて,まるで,もし逆らって実行したら「破門するように圧力をかけてきました.私はそれが恐くていつもいいなりでした.

うちの親はとても過保護で過干渉です.今まで生活は豊かで不自由な思いをしたことはこれっぽっちもありませんし,服とか欲しい物はいっぱい買ってもらいました.それに親は家事もいっこもさせませんでした.「高校を卒業するまでは家事の時間も勉強につぎ込みなさい」ということでした.だから今の私は怠け者です.働かないといけないともあまり思わないし,家事もしないです.

 私は何の才能もない,美人でスタイルもいいわけでない,どこにでもいそうな人間は生きていても意味がないというか,何も楽しくないやんと思います.私は昔勉強ができていて,けっこうモテていました.でも,それは過去のことになってしまって,今は全然勉強もできないし,ルックスも劣って誰もふり向いてくれなくなりました.それを自分で受け入れることができないんです.私自身心のどこかで私は美人じゃないし凡人だって分かってるんです.でも昔と違うので,それが嫌で認められないんです.私の言ってることが意味分からないかもしれないですが,私も,私自身が分かりません.どうしたいのかさっぱりです.

 私はアダルト・チルドレンです.「アダルト・チルドレンという言葉を聞いたことがありますか?私は本で知ったんですが,まさに私のことが書いてありました.私は今まで親にけなされた記憶しかありません.親は条件つきでしか愛してくれなかったのです.いつも誰かと比べられ,すごい顔で怒られて,ののしられて,いつもビクビクしてました.暴力はたまーにでした.

だから私は自己評価が低く,自己嫌悪に陥ってます.いつも全て自分が悪いと思うし,自分に自信がないし,自分を愛することができない.だから他の人にも無関心です.とうてい思いやることもできないです.それに人を信用することもできません.今まで一番正しいと信じてきた親ですらこれですから,もう誰も信用したくない.かといって死ぬこともできない.生きていくしかないのです.でも,もう人の顔色をうかがったり,他人の評価でしか自分の良し悪しを判断できないというのは嫌なんです.絶えず神経を張りめぐらせ,ビクビクしながら生きるのは嫌です.もっと気楽に好きなように楽しく日々明るく友達とかと過ごしたい.

親は私のことをおかしいと思っています.あの人達は世間で"まとも"といわれていることじゃないと安心しないのです.今までは私を閉じこめがちにしてたくせに,今は社会にでないのはおかしいと言ってきます.私は21年間で20回も遊びに行ったことないです.「遊びに行くと言おうものなら親の大変な審査を通過しないといけなかったからです.「なんで?」から始まって「勉強せんとどうするつもり」など.だから私は言い出すのにとても勇気がいったし,また恩着せがましく言われるのが恐かったので,いつも遊びにいけなかったです.それが今では逆にせかしてきます.本当に私から言わせれば「ふざけているの一言です.憎いです.でもこれを誰かに言うこともできません.もし,私みたいなアダルト・チルドレンが居て共感できたり,友達になれるなら活動に参加したいとは思います.今は人の視線が恐くて,近所を歩くのも電車に乗るのも恐いのです.それに,外見が今風な同世代の男の子や女の子も恐いです.昔から親にそんな子と友達になったらあかんと言われていたので,今でもそうゆう子達は悪くて恐い子だという偏見があります.

 とりあえず,一人で悩んでいても前進しないので手紙を書いたのですが,お返事を下さい.お忙しいと思いますが,お願いします.

〔編集者より―『ちちんぷいぷい』は,MBS毎日放送の夕方の番組です.
同番組は2001年10月13日に行なわれたシンポジウムを取材し,その模様とともに,引きこもりに就いて分かりやすい解説を行ないました(10月23日放映).〕